家庭犬のためのしつけインストラクター養成講座

  

レベル1 『犬を理解し、トレーニングを行う』

平成11年10月24日(日)福岡スターレーン 午前10時〜午後5時

 

<<午前の部>>

はじめに。

このクラスで学ぶ以外に、クラス以外での勉強が必ず必要。このクラスではトレーニングの骨組みだけを教える。

この後、できるだけたくさんの犬に触れることが重要、犬を飼っている人は自分の犬を、飼っていない人は

ボランティアなどで他の犬をトレーニングしてみること。

 

犬の生活・歴史

ボーダーコリー:人と協力して仕事をする犬(トレーニングしやすい)

ピレネー:自分で判断して仕事をするよう子犬の時から訓練される。→羊を守る犬なので、子犬の時から羊と

      一緒に生活させる(トレーニングしにくい)

盲導犬:適正を見て繁殖をする。パピーウォーカーのもとで、人との社会化をする。

介助犬:シェルターから引き取りトレーニングした例もある。強制的にするのは無理。

 

アニマルアシステッドアクティビティ(AAA)とアニマルセラピー(AAT)の違い

AAA:現実の生活を思い出させる。(昔、犬を飼っていた事を思い出す。etc)

AAT:特定の目的を持って作業療法士が行う。

 

子犬と子供は、全世界で愛される対象である。それゆえ甘やかされる事も多い。

トレーニングがうまくいかない→手に負えなくなり→・捨てられる

                                ・外に追い出される(日本では多い)

                                ・反犬社会(犬が嫌われる社会)

                                 無駄吠えの問題行動は50%が外にいる犬である。

             そのためトレーニングは必要なものである。

 

トレーニングの基本

良い行動をしたときに”すかさず”ご褒美(えさ、おもちゃ)を与える。ご褒美は、最初は毎回与えるが、

徐々に不定期にあげるようにし、犬がいつもらえるかわからない状態(いつも期待している状態)にする。

悪い行動したときは怒るのではなく無視する。そうすることにより、犬は自分で学習するようになる。

どうしたらごほうびをもらえるのか考え、理解するようになる。

逆に、犬の方も人間をトレーニングしている。どういう態度をとればご褒美がもらえるのか…。(例えば、

飛びつけば触ってくれる、わんわん吠えれば声をかけてもらえる、えさをもらえる。etc)

 

トレーニングは犬がやる気になっている時にやめる。5分間ぐらい。様々な状況のなかでできるようになって

初めてそのトレーニングは完了したことになる。

 

トイレトレーニング

子犬をサークル(大きさは、トイレ、寝場所、おもちゃがおけるくらいのスペース)に入れ、〜又はひもでつないで〜

いつも家族の見える場所に置いておく。そわそわしだすとトイレに連れていく。(いつでも連れていけるようにいつも見ておく)

トイレに間に合わなくて失敗しても、それは飼い主が監視をおろそかにしたせいで犬は悪くない。

巣を汚くしている状態で飼われているとトイレトレーニングが難しい。

 

クレートトレーニング

クレート(犬が入るぐらいの大きさのケージ)に入れトイレをがまんすることを教える。→普通、犬は自分の体が排泄物で

汚れることを嫌うので、寝床の側などで排泄したがらない。

クレートに入っている時は排泄ができないので定期的に出してやる。この出すタイミングは、子犬が呼んだから

出すのではなく、飼い主が決めた時間(タイミング)で外に出すようにする。

クレートの中で大人しくできるようになると、危険から逃れるときなどにも使える。

 

犬が恐怖を感じるサイン

 

子供が犬とやってはいけない遊び。(親が必ず見ておく)

 

噛み付き防止しプログラム

幼稚園から始めている。

   ・飼い主に触ってもいいか聞く。「さわってもいいですか?」

   ・それから、犬にも聞きましょう。手の甲のにおいをかがせる。かがなかったらダメという事。いきなり頭を

    なでようとしてらびっくりしてしまうからダメ。

   ・犬が追いかけて来たら、キャーキャー言うとおもちゃと思ってしまうので、その時は電信柱になりましょう。

    もし電信柱が倒れてしまったら、電信柱は倒れたら倒れたままですね。

*子供が犬を怖がらないような言葉を選んで使う。

 

<<午後の部>>

子供には上記のような説明をするが、犬には人のまちがい(あいさつなしにいきなり頭をなでる等)に慣れさせるように

トレーニングする。

 

子供と犬と遊ぶのに良いゲーム

―テキスト参照―

 

ひっぱりっこゲームは人間の合図で始め、おもちゃを動かさなくすることで終了させる。そのとき、OUTとかDROPとか

のサインを出すこと。

 

成犬のクラスは、悪い癖をやめさせるためのクラス。どんな問題があるのか、アンケートをすることによってわかってくる。

トレーニングは、どんな時もどんな状況でもできるようにすることが基本。

 

人が言う問題行動とは?

犬にとっては正しい行動だが、人にとっては正しくない行動。

例)

子犬はひとりぼっちになると声を出して親を呼ぶ(本能)

かじることは子犬の本能(かじっていいものと悪い物とを教える)

獲物を追いかけるのは本能(えものを教えてあげる)

穴を掘るのが仕事の犬(テリア系)、作業犬のボーダーコリーはその性質が強化されてきた。(その性質をより強くもつものが

繁殖に使われてきた。)

 

子犬は他の子犬、母親からいろいろな事を学ぶ。最低でも6、7週間までは親元に置いておく。

 

犬の行動

犬のあいさつはおしりの臭いをかぐ事

上から手を出すのは支配のサイン。

舌をペロッと出す、顔をそむけるなどはカーミングシグナルというもので、相手や自分を落ち着かせるためのもの。相手に自分

には攻撃性がないことを示す。相手におなかをみせるのは服従のサイン

 

犬にはテリトリーの境界線があり、それを越えると押しの強い子は追い出そうとし、臆病な子は逃げだす。(逃げられない状況の

時咬む。)→ただし臆病な子は、良く押しの強いフリをする。

 

アイコンタクト

目を合わせると、”いかく”になるのでしないこと。飼い主の場合は、犬のほうが目をそらす。

犬のトレーニングによって、人と犬のストレスをなくす。

クラスの初日は飼い主だけを集めて講義を行うと良い。

 

ご褒美の決め方(例)

 

食べ物

おもちゃ

遊び

1位

ボイルレバー

 

 

2位

チーズ

 

 

3位

 

 

 

4位

 

 

 

5位

 

 

 

 

それぞれの犬で違うので、それぞれ決める。ご褒美の食べ物の量は1日の総カロリーの10%程度

一番好きな物はいざという時のためにとっておいて、2番目に好きな物を使う。

 

まず初めはご褒美を使って(つりえさ、モチベーション)トレーニング

次はご褒美を見せずにトレーニング、できた後ご褒美を見せて与える。(真のご褒美)

その後時々ご褒美を与えてやる。(だんだんと強化されていく)

 

「おいで」と呼んで来るようにするには。

強化因子としてご褒美を使う。マイナス因子としてご褒美を取り上げる。(無視する)

 

猫に紙屑を持ってこさせるトレーニング

紙屑を持ってきて手のひらに落とさせる。うまくできたら最高のご褒美。

 

陽性強化法

段階的に少しずつえさを与えながら教える。最初は見るだけ(アイコンタクト)でもえさを与える。(鶏、猫、

ラットなど)頭をコントロールすれば体もコントロールできる。

 

えさを食べているときに人が来ると吠える、うなる犬

えさを与えるときに皿に手を入れたまま食べさせる。皿を守るような犬は複数のエサ入れを用意する。

 

世界の犬社会

オーストラリアのディンゴはもともと人が飼っていた犬が野生化した物。もともとオーストラリアに犬はいなかった。

ノルウェーには犬の駐犬場がある。

 

公園は2つの種類がある。

犬立入禁止

リードをつけてふんをとればOK!

 

飼い主がアルファになる。→親切なトップになる。

犬がパートナーで人間がリードを取る。そのときサインを出す。

 

犬がアルファにならないためのプログラム(すでになっている場合は別のプログラム)

 

 

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