家庭犬のためのしつけインストラクター養成講座
レベル2 『犬に良い行動を教え、悪い行動をやめさせる』
平成11年10月25日(月)福岡スターレーン 午前10時〜午後5時
<<午前の部>>
トレーニングを行うにあたっての注意点
ボディーランゲージを勉強することを忘れない。犬に理由をつけてご褒美をあげることが重要。特に気を付ける事は
犬を混乱させないこと。
実際に犬を触ってからがトレーニングの開始。犬を飼っていない人は知人の犬、センターの犬をボランティアで
トレーニングを行うと良い。
問題行動を治す。
害を与えない範囲で”新しいこと”をやってみないといけない。想像力を発揮すること!
獣医行動学…カウンセラーとトレーナー(インストラクター)は違う
診断するには4つの要素がある
飼い主に適正な種類を教えてあげる義務がある。
*かみつき事故をなくすには、子供に対する教育と犬のトレーニングが必要
子犬の選びかた
活発な子――→元気、トレーニングに向きやすい。いつも何かをしているので誘導トレーニングが有効
いじめられている子(おとなしい子)――→トレーニングにあまり向かない。自信を付けさせる手間がかか
る。問題行動でかみつく子が多い。
中間の子(我関せず、おっとりしている)――→一番飼いやすい
牧羊犬は追いかける本能がある。→だから、時どき追いかける行動をさせてストレス解消をさせると良い。
B.Fスキナー オペラント条件付け 犬の心理学
ブリーランド効果:本能の流れ(小さな声がいつも聞こえるようなもの) トレーニングで抑えることができるが、けっして消えないもの 例えば。レトリバーは物をくわえる本能がある。(ボールやフリスビーなどを与える) |
子犬が成犬に嫌なことをすると、成犬は@遠ざかる、又はA吠える、かみつく。
ここで人間が成犬を怒ってしまうと、子犬は自分が正しいのだと誤解する。そして公園などで知らない犬にも
同じ事をしてしまい事故になる。(子犬を母親と一緒にしておくと、そういった犬のルールを学習する)
その問題について考える
@なぜか?を考える
先入観を捨てる。何がしたいのか?いつ?誰がいるとき?状況は?季節は?
4つの要因
・
Health 健康状態、ストレスることを知る。)
カウンセリングは最初に50分かける
問題を解決する道具
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メリット |
デメリット |
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Yes |
妥協する |
簡単、みんなが楽しい |
妥協できないこともある |
Escape |
原因を取り除く |
簡単 |
原因が分からない場合もある。取り除けないこともある。根本治療ではない。 |
Syste |
系統的脱感作 |
恐怖反応に効果あり。(徐々に刺激を強くする) |
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Treet |
ご褒美を取り除く |
方法 何がご褒美か考える。声をかけることも強化になる。 |
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R |
悪い行動と両立させない事を教える。 |
方法 この時のご褒美は悪いときのものより魅力的なものでないとだめ。時間がかかる。 例)吠えるのが止まったときにすかさずご褒美。(泣きやまないときはわざと音を出したりしてびっくりさせ吠えるのをやめさせる。 悪いことをしているときにお座りさせ、そしてご褒美。 咬んでだめなものの前におもちゃを与えて、その時にご褒美。 |
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A |
慣らす |
方法 嫌いな物の臭い |
|
I |
関連づけ改善(脱感作と組み合わせると良い) |
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例)
問題行動:飛びつき(喜んで飛びつく、遊んで欲しくて飛びつく)
飛びつかれても反応しない。→ご褒美をあげないということ。(声を出さない、動かない、犬を見ない)そして
飛びつくのをやめたら静かに立ち去り、しばらくしてから触る。そこで飛びついたらまた最初からやりなおす。
<<午後の部>>
ジェントルリーダー
引っぱると頭を後ろから押されたようになるので、頭を後ろに戻そうとする。そのため引かなくなる。
付けるときは、後ろのバンドはぴったりと締める。緩いと効果がないく、はずれやすい。一度はずれることを
覚えると犬は必死にはずそうとするので絶対にしてはいけない。
問題犬の例
◎玄関に人が来たら飛び出す犬
マットの上などでお座りを教える。その後、命令されたらその場所に行って座ることを教える。マット
を動かし玄関の見える場所にマットをおき、人が来たときはそこに座らせるよう命令する。
◎慣らす (猫、男の人、嫌いな人などに慣らす。)
タオルなどに臭いをつけて慣らす。でも、そのものにだけ慣れ、その他のものは駄目な時もある。
◎関連づけ
赤ちゃんが泣くと、餌をあげる、ボールをなげるなどの関連づけをする。
◎別離の不安
出かけた後
30分ぐらいが一番寂しがる。出かけるときにご褒美をあげる。コングに餌を詰め込み(簡単には取れないよう)出かける時にそれをあげる。犬は飼い主が出かけるとコングがもらえると
理解し、出かけることを待ち望むようになる。(?)
●してはいけない事
首を押さえつける、にらむことは駄目。(犬が目をそらす事ができないので、追い込まれてしまうから)
無理矢理お腹を見せさせる。(自分からするようにならないとだめ)
●罰として行う事
犬が悪いことをしようとすると嫌なことが起こる。(音や水などきらいなもの、テープなどしかける)
飛びついてきたら前足をつかんで離さない。(声はかけない)
テーブルに足を乗せたらだまって押しつける。(声はかけない)
認定犬のテスト項目
F ふせ(横座り)、待て10秒間
G お座り、離れて10秒、戻るまで動かない。(リードは
1.8m)サインは3回まで。
トレーニングする際、決めておく言葉
普通の会話であまり使われない言葉を使う方がよい。
する。えさをもらえる約束の言葉という風に犬に認識させる。
オペラント条件付け
犬が学習し覚えていく。
1:
Antecedent 前駆の出来事、命令の言葉やサイン、合図2:
Behavior 行動3:
Consequuence ごほうび上記のような流れでトレーニングしていく。
質問
Q 先生のトレーニングの方法は犬を室内で飼うことが条件のように思われるが、日本ではまだ犬を家の中で飼う
ことに抵抗を感じる人も多い。そのような場合はどう考えたらいいのか。
A
@犬は家の中で飼うことが一番トレーニングをするには良いと私は思っているので、ぜひそのように説得をしてください。
A何故犬を家の中で飼えないのかを探ってください。問題があるならそれを解決すれば良いので。
B犬を外で飼うことは精神的に虐待しているので、できるだけ家族と一緒にいれるような状況にしてあげましょう。
シャイな子は訪問活動には向かない。
センターから引き取られて里親の元へ行くとき、2〜3週間のテスト期間があったほうが良い。(心に傷がある場合が
多いので、家庭に来てから変わることが多い)
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